第 57 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース | |||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||
症例の概要・問題点 | |||||||||||||||||||||||
症例 | 35歳、男性。 |
||||||||||||||||||||||
主訴 | 腹痛、食思不振。 |
||||||||||||||||||||||
既往歴 | 特記すべき事項なし。 |
||||||||||||||||||||||
家族歴 | 特記すべき事項なし。 |
||||||||||||||||||||||
現病歴 | 平成15年1月初旬より、腹痛、食思不振があり、時として嘔気を自覚していた。 同年4月後半より症状の増強を認め、近医受診し精査を施行したところ、下腹部に 手拳大以上の腫瘤性病変を触知し、岩手県立久慈病院消化器内科紹介となった。 入院後に施行された腹部CTおよびMRIにて下腹部、膀胱直上に位置する部分に小児頭大の 巨大腫瘤性病変が検出された。病変は消化管に取り囲まれる様に在り、内部には嚢胞状の 空隙形成が認められた。消化菅あるいは腸管膜原発の腫瘍として、手術目的に精査を 進めていたが、消化管穿孔による汎腹膜炎を併発し、同院外科にて緊急手術が施行された。 |
||||||||||||||||||||||
切除標本肉眼所見 | 切除された小腸においては、小腸間膜を主座とし小腸を巻き込むように増大する 大きさ22x13cmの巨大腫瘤性病変を認めた。病変の表面は漿膜により覆われていた。 割面では内部に嚢胞状の空隙形成を伴い、腫瘍組織は灰白色調で軟らかく、出血、 壊死を伴い、一部で小腸壁内へ直接浸潤が疑わる部分が認められた。 |
||||||||||||||||||||||
配布標本 | 腫瘍組織(小腸への浸潤部) |
||||||||||||||||||||||
本症例の問題点 | 病理組織診断 |
||||||||||||||||||||||
最終病理診断 | Histiocytic sarcoma 類似症例が紹介され、それはlymphomaの治療で軽快したが、本症例の治療は どうしたかとの質問があり、それに対して本症例でもlymphomaの治療(CHOP) が行われたが効果は全くなかった、との答であった。 診断に関しては異議なし。 |
||||||||||||||||||||||
|