第 57 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 12 区分 典型的・教育的.その他の症例
部位/臓器 消化管,胃
演題名 Lymphoid cuffを伴った胃粘膜下腫瘍の一例
出題者および所属
藤嶋昌一郎1)、前田邦彦1)、山川光徳1)、渡部修一2)
1)山形大学医学部発達生体防御学講座病理病態学分野 (旧病理学第一講座)、
2)山形県立河北病院外科
症例の概要・問題点
症例 60歳女性。以前より肝血管腫で経過観察されていたが著変はなかった。
平成10年に近医で上部内視鏡を施行され、胃前庭部前壁に2cm大の粘膜下腫瘍を認められた。
その後、年に1回の上部内視鏡および腹部CTによる経過観察を施行されていた。
平成14年8月の上部内視鏡および腹部CTで同粘膜下腫瘍が4cm大に増大したため、同年9月に
胃幽門部切除を施行された。腫瘍は筋層から漿膜にかけて3.Ocmx2.3cmの境界明瞭なもので、
紡錘形細胞の錯走から構成され、腫瘍周囲に明瞭なリンパ組織の取り巻き(lymphoid cuff)が
認められた。
配付標本 胃粘膜下腫瘍の手術摘出標本の一部

問題点 病理診断
最終病理診断 Schwannoma or GIST with neurogenic differentiation
H.E.でschwannomaの典型像ではなく、schwannomaでは通常GFAPが陽性になる
ことはない。Stromal tumorの名前を残してGIST with neurogenic
differentiationとすべきであるという意見があり,演者および共同演者よ
りc-kit, CD34陰性で免疫で神経系のマーカーが陽性であるので,GISTより
はschwannomaとした、との反論があった。
GISTをどのように理解するかでの立場によって診断が異なるように思えた。
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