第 57 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 07 区分 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器 心,血管系,心
演題名 血管攣縮性狭心症の一剖検例
出題者および所属
角田力彌1)、平カヤノ2)、芦川紘一2)、今井大3)、山川光徳4)
1) 米沢市立病院・病理 同・循環器内科2) 山形市医師会・病理3) 山形大学・医・一病理4)
症例の概要・問題点
症例 52歳男性
家族歴 父 59歳時 急性心不全で死亡。
母 除脈性心房細動でぺ一スメーカー埋め込み。
既往歴 小学生時、腎炎にて入院した。
H10より 早朝の胸痛あり。
H10.9 冠動脈造影、冠攣縮性狭心症の診断となり投薬受けるも、
以後、自己判断で時々休薬。
H13.8 WBC 6800, RBC 513, Hb 16.1, Ht 49, GOT 17, GPT 17,
LDH 309, AL-P 155, γ-GTP 14.5, TG 116, Tcho 175,
HDL-C 61, S-UN 6, S-Cr O.7, S-UA 4.8,TPHA(-)
U-P(-), U-Glu(-), Urob(±), HCV(-), TPHA(-)
喫煙歴 20本/日/32年間。気管支喘息の既往なし。
現病歴 H14.6. 午前4時、胸内苦悶あり、ニトロを舌下したがおさまらず、
意識喪失。救急車到着時に下顎呼吸、心室細動状態。
心蘇生術するも効なく、死亡、剖検された。

配布標本、間題点 右冠状動脈、その病理診断。
最終病理診断 Eosinophilic periarteritis
Churg-Strauss症候群、Wegener肉芽腫症、polyarteritis nodosaとの鑑別が
問題となったが、病変の広がり,組織像からは、現時点ではeosinophilic
periarteritisという診断にしておいた方がいいのではということになった。
血管攣縮の機序についても討論を行った。
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