第 57 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース | |||||||||||||||||||||||
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症例の概要・問題点 | |||||||||||||||||||||||
症例 | 15歳、男性 |
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経過 | 平成13年9月頃より右下肢に違和感を自覚していたが放置していた。平 成14年2月より右大腿に圧痛やしびれ感も出現するようになり、近医受診し た。CT、MRIにて右大内転筋、大腿二頭筋、半腱様筋の筋束問に2x3cmの 腫瘤を認めた。神経鞘腫を疑い摘出術を行った(配布標本1)。術後の組織検索 で悪性所見を確認したため広範囲切除術を追加した(配布標本2)。手術標本で は腫瘤は坐骨神経より発生しており、白色調を呈していた。 |
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配布標本 | 1 初回摘出標本 2 広範囲切除術標本 |
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問題点 | 病理組織診断 |
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最終病理診断 | 悪性末梢神経鞘腫瘍 演者は免疫染色で神経系マーカーが陰性であり、単相性滑膜肉腫との鑑別が 困難と考えている。 組織像は演者の診断名を指示するものである。特に細胞の形態や血管周囲性 の配列は特徴的と考える。 S-100蛋白などの神経系マーカーが陰性でも悪性末梢神経鞘腫瘍の可能性を 否定することにはならない。 座長:座長用に送られた未染標本で、ごく少数のkeratin(AE1/AE3)染色陽性 細胞を散見するが、これも悪性末梢神経鞘腫瘍を否定することにはならない と考える。 |
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