第 57 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 01 区分 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器 軟部組織,上肢
演題名 前腕部潰瘍性病変の一例
出題者および所属
緒形真也1)、深瀬真之2)、川上順子3)、山田雅道3)、本山悌一1)
1) 山形大学医学部環境病態統御学講座人体病理病態学分野
2) 鶴岡市立荘内病院病理科、3) 鶴岡市立荘内病院形成外科
症例の概要・問題点
【症例】 41歳、女性。
【既往歴】 40歳時、子宮筋腫および卵巣嚢腫摘出術。
【家族歴】 特記事項なし。
【現病歴】 平成14年6月左前腕手関節部伸側に潰瘍形成が見られ、
近医整形外科にて切除術施行された。
同年11月より潰瘍が再発し、自己処置していたが緩解せず、
平成15年2月13日に荘内病院形成外科を受診。
同年2月24日に病変部の切除・縫合術を施行した。
【配布標本】 摘出標本。

【問題点】 病理診断。
最終病理診断: 類上皮肉腫
配布資料中にある前医での切除は誤りで、実際は表面の処置のみであった。
患者は病理診断の結果、左手首の切除を受けたが、切除標本では骨に達する
浸潤が見られた。
木村鉄宣先生(教育講演講師)は類上皮肉腫を1例経験されており、その症例
は肺転移を来たしたとのことであった。
本例は深部浸潤が強く、遠隔転移の可能性も十分考えられるので,経過観察
が必要であると考えられた。