第 56 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 15 区分 A. 難解・問題症例
部位/臓器 女性生殖器 膣
演題名 膣壁腫瘤の一例
出題者および所属
東北大学大学院医学系研究科病理形態学分野 三上 芳喜
      同      病理診断学分野 笹野 公伸
症例の概要・問題点
症例の概要 患者は42歳の女性。子宮癌検診で膣壁腫瘤を指摘されたために近医を受
診した。来院時、鶏卵大の腫瘍が後膣壁に認められた。病変は後膣円蓋部か
ら突出する粘膜下腫瘤の形をとっており、全体の約2/3が膣内腔に存在し
ている印象が持たれた。大きさはピンポン球大であった。腰椎麻酔にて経膣
的に腫瘤の核出が行われたが、根部のところでは周囲組織との境界は不明瞭
であった。直腸との連続性は伺われず、また直腸診でも腫瘤は触知されな
かった。

? 病理組織診断 ? 今後の治療方針
最終病理診断 GIST of soft tissue (vagina)

画像1 画像2
消化管外間質腫瘍(Extragastrointestinal stromal tumor involving the vagina).
(A)紡錘形細胞の束状増生から構成される腫瘍.
(B) 束の間には線維血管性の間質が介在し、平滑筋腫瘍で通常みられる筋性血管は認められない.
腫瘍細胞はCD34(A)、c-KIT蛋白(B)がびまん性に陽性であった.

画像3 画像4