第 56 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 12 区分 B. 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器 女性生殖器 子宮
演題名 子宮内膜癌と大腸癌の同時性合併症例
出題者および所属
大谷 明夫1、吉永 浩介2、諸原 雄一2、対木 章2、小泉 雅典3
国立水戸病院 1研究検査科、2産婦人科、3外科
症例の概要・問題点
症例 症例は60才女性。進行子宮体癌(臨床的ステージ?期)として国立水戸病院入院。
術前検査にて上行結腸二箇所に径1.5cmの隆起性腫瘍を発見。また胃にも隆起性病
変を発見された。生検により子宮は類内膜癌、大腸二病変はともに高分化型腺癌が
つよく考えられた。産婦人科・外科・病理で協議し、もっとも臨床的進行度の高い
子宮癌を優先して手術することになった。婦人科的には拡大子宮全摘、両側付属器
摘出術、右骨盤リンパ節生検が、外科的には上行結腸切除術と所属リンパ節郭清が
同時に施行された。胃の病変については、患者の回復をまって粘膜切除術が施行さ
れた。子宮摘出標本では体部は腫大し、漿膜下まで肉眼的に浸潤をみとめた。左外
腸骨リンパ節転移陽性。ミクロ所見は配布標本。大腸二病変は盲腸に近いほうが、
高分化型腺癌、mp、より遠位にあるほうが、高分化型腺癌,smであった。また家族
歴としては、患者の母は胃癌と膵癌で死亡、患者の姉が胃と内膜の癌の既往あり健
存、患者兄が大腸癌肝転移死亡、母の同胞4人に乳癌をふくむ癌既往がある。

問題点 診断。また当院における遺伝カウンセリングの取り組みも紹介します。
最終病理診断 Endometrioid adenocarcinoma, G1

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