第 56 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 04 区分 B. 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器 気管,肺,胸膜 肺
演題名 鳩による過敏性肺臓炎の一例
出題者および所属
潘 立華,佐々木 信人,黒瀬 顕,岡田 信一郎*,澤井 高志
岩手医科大学病理学第一講座,* 釜石市民病院呼吸器科
症例の概要・問題点
症例 47歳、男性
平成12年11月下旬より労作時呼吸困難と黄色痰が出現,近医より
抗生剤等の投薬を受けたが症状改善せず釜石市民病院呼吸器科受診,胸
部X線写真でびまん性の粒状影,スリガラス状陰影が認められ,また
発熱が出現し,労作時呼吸困難も増悪のため入院となった.入院後経気
管支肺生検おこなったが所見が得られず,胸腔鏡下肺生検を施行した.
配布スライドはこのときのものである.
その後,曝露環境からの隔離のみで症状は軽快し胸部陰影も改善し退
院となった.その後再び鳩の飼育数を増やし,胸部陰影が増強してきて
いる.

最終病理診断 Hypersensitivity pneumonitis (Pigeon breeder's lung)

画像1 画像2
両肺野にびまん性の粒状影およびスリガラス様陰影を示しております。 生検肺はどの部位にもほとんど同様な所見です。
肺胞隔壁に炎症細胞浸潤を伴う肺胞隔壁の肥厚を認めます。
肺胞腔は気腫性変化を認め、一部に細気管支炎を示しているところもあります。

画像3 画像4
胞隔炎の像ですが腔内に滲出物を認めません。 類上皮の集族よりなる肉芽腫が各視野に認められます。
これは比較的大きな肉芽腫が細気管支周囲にみとめられます。