第 54 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
出題者および所属 |
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杉浦淳子1)、伊東博司1)、櫻井裕子1)、高田 訓2)、山崎 章1)
1) 奥羽大学歯学部 口腔病理学講座、2) 同 口腔外科学講座 |
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症例の概要・問題点 |
症 例 |
7歳、男児 |
現病歴 |
運動中に転倒し左頬部を打撲したため、平成13年7月24日某歯
科を受診した。同歯科にて左側大臼歯部頬側の腫脹と下顎骨左側
大臼歯部の?線透過像を指摘されたことから、精査のために同日
奥羽大学歯学部附属病院口腔外科を受診した。
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現 症 |
本学口腔外科来院時、左側大臼歯部頬側歯肉に健康粘膜でおお
われた直径約10mmの膨隆を触知した。膨隆の硬度はゴム様であ
り膨隆部においては骨は蝕知せず羊皮紙様感(・)、波動(・)、圧
痛(・)、自覚症状(・)であった。パントモ?線では下顎骨臼歯部骨
体部に境界不明瞭な骨吸収像が見られた。MRIでは下顎骨頬側皮
質の破壊と骨内外への病変の進展が見られた。
約1ケ月後、膨隆は直径約25mmに増大していたが、疼痛および
オトガイ神経の麻痺はなかった.エナメル上皮腫もしくは悪性腫
瘍の臨床診断下に腫瘍摘出術が施行され、手術時に腫瘍は周囲骨
より容易に剥離できたが、被膜はなかった。
現在まで再発は認められていない。 |
肉眼所見 |
割面は乳白色、弾性軟、ゼリー状であった。 |
免疫組織化学染色 |
大部分の腫瘍細胞はvimentin(+)。SlOOとdesmin
は一部の腫瘍細胞に(+).KP1(・)、αSMA(・)、NSE(・)、
LCA(・)、CD34(・)、抗ケラチンポリクローナル抗体(・)。 |
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問題点 |
病理組織診断、特に良悪性について |
最終病理診断 |
Mesenchymal tumor. |
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配布標本 |
腫瘍本体 |
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画像1
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画像2
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下顎骨左側臼歯部に下顎骨を破壊しつつ広がる高信号病変が見られる。
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ほとんどすべての腫瘍細胞が陽性である。
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画像3
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画像4
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一部の腫瘍細胞にS100蛋白の局在が観察される。
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一部の腫瘍細胞が陽性を示す。
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