第 51 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 17
部位/臓器 造血器 リンパ節
演題名 右顎下部腫瘤の一例
出題者および所属
岡崎慎一、前田邦彦、斉藤仁昭、稲村博雄*、青柳 優*、山川光徳

山形大学医学部病理学第1講座、山形大学医学部耳鼻咽喉科*
症例の概要・問題点
症例 33歳、男性
主訴 右顎下部腫瘤
家族歴・既往歴 特記すべき事なし
現病歴 2週間前より右顎下部の腫脹を自覚し、近医耳鼻咽喉科を受診。頸部CTにて右顎
下腺の外側前方よりに径3.0x 2.5cmの腫瘤を認めた。穿刺吸引細胞診にてclass ?。
その後、急速な増大傾向を認めたため、山形大学医学部付属病院耳鼻咽喉科に精査
加療目的にて紹介となった。

入院時現症 右顎下部に4.0x3.0cmの弾性硬、境界明瞭、可動性やや不良の腫瘤を認めた。
皮疹・皮膚病変などは特に見られなかった。また、肝・脾腫やリンパ節腫脹も認めら
れなかった。

入院時検査所見 特に異常所見は認めず(WBC 6,220/μl,RBC 400万/μl,Hb 13.8g/dl,
Hct 41.1%,plt 203万/μl,GOT 18IU,GPT 19IU,LDH 242IU,Amy 102IU,
P.Amy 34IU,S.Amy 68IU

画像所見 CT;右顎下部に境界明瞭、内部不均一な造影効果のない腫瘤を認めた。
MRI;右顎下部に4.0x2.5cmの、辺縁整、内部やや不均一な腫瘤病変を認めた。
(T1・STIRにて高信号)

経過 画像所見等で確定診断を得られなかったため、4月18日に腫瘤の摘出術を施行。

問題点 病理組織診断名
最終病理診断 Histiocytic and dendritic cell tumor.

配布標本 当該腫瘤の一部 (山大1319)