第 54 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題名 |
切除後11年で再発をきたした硬口蓋腫瘍の一例 |
出題者および所属 |
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秋田大学医学部 病理学第一講座1,附属病院病理部2
東海林琢男12,西川祐司1,渡辺斉1,山本洋平1,
吉田正行1,大森泰文1,
提島真人2,榎本克彦1 |
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症例の概要・問題点 |
症例 |
80歳,女性 |
臨床経過 |
1989年6月頃より硬口蓋に腫瘤が自覚され,耳鼻科で精査したところ潰瘍を
伴う粘膜下腫瘍が見出された.生検でtubular adenocarcinomaと診断され,同年8月,腫
瘍切除術,口蓋再建術および術後照射(60Gy)が行われた.その後11年間経過観察中に
著変は認められなかったが,2000年10月頃,口蓋再建部に腫瘤が出現し,同年12月5
日切除術が行われた.腫瘤(13 x 10 x 4mm)は白色,境界不明瞭で,再建口蓋部深部へ
の浸潤がみられ,腫瘍再発と考えられた.その後経過観察していたが,2001年5月,切
除部近傍に再び腫瘤が出現し,同年7月19日切除術が行われた |
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問題点 |
病理組織診断 |
最終病理診断 |
Polymorphous low-grade adenocarcinoma. |
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配布標本 |
第2回手術時の腫瘍(2000・11444) |
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画像1
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画像2
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初発腫瘍(1989-5708)の弱拡大像(対物10倍).
上皮下に不規則な小腺管または小胞巣を形成しながら増殖する腫瘍組織がみられる.
硝子化を伴う豊富な間質が認められる.
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初発腫瘍(1989-5708)の強拡大像(対物40倍).
腫瘍細胞は内腔に好酸性分泌物を容れる小腺管を形成している.
腫瘍細胞の核にはクロマチン増量と軽度の大小不同が認められる.
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画像3
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画像4
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再発腫瘍(2000-11444)の弱拡大像(対物10倍).
初発腫瘍に較べ腺管形成が不明瞭となっている.
また間質は豊富で,一部は粘液腫様である.
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再発腫瘍(2000-11444)の強拡大像(対物40倍).
クロマチンの粗な腫大核を有する腫瘍細胞が小胞巣を形成している.
核分裂像が散見される.胞体の一部に淡明化がみられる.
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