第 51 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 23
部位/臓器 気管,肺,胸膜 肺
演題名 肺原発悪性リンパ腫の一例
出題者および所属
日下部 崇1)、中村直哉2)
阿部正文2)、鈴木利光1)

1) 福島医大2病理、2) 福島医大1病理
症例の概要・問題点
症例 76歳、女性
現病歴 1997年12月、右胸水、胸膜炎を指摘され、南東北病院に入院。
抗生剤、利尿剤の投与にて軽快した。
その後1998年12月、1999年3月にも同様に右胸水、胸膜炎の診断で
同病院にて治療を受けたが、胸膜炎の原因は不明であった。
1999年6月、熱発を伴う胸水(両側)が出現。胸水の細菌培養、
結核菌培養はいずれも陰性、細胞診Class ?、右肺にair-bronchogramを
伴うconsolidationが見られたため腫瘍マーカー(CEA,SCC,NSE)検索を
行ったがいずれも正常範囲内であった。胸水、胸膜炎の原因が同定できな
いまま徐々に呼吸状態が悪化し、2000年1月23日、呼吸不全にて死亡した。

剖検所見 両肺野に大小不同、灰白色調で境界が比較的明瞭な結節性病変が多発性しており、
心外膜、心嚢壁、壁側胸膜には・10mm大の白色調結節性病変が散在性に認められた。
肺門リンパ節の腫脹もみられた。


問題点 肺原発の悪性リンパ腫と考えたが、その組織分類について
最終病理診断 Diffuse large B cell lymphoma. (Lymphomatoid granulomatosis type.)

配布標本 肺の腫瘍結節