第 51 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 25
部位/臓器 口腔,咽頭
演題名 上顎骨腫瘍の一例
出題者および所属
長岡赤十字病院検査部 薄田浩幸
     同 病理部 江村 巌
症例の概要・問題点
症例 62歳、女性
平成12年2月初旬、右上顎第5,6歯に動揺がみられた。
X線上、上顎骨に骨吸収像がみられた。
口腔内で上顎骨の歯槽突起外側で第5歯根尖部の骨粗造部骨内より生検施行。
その後右上顎骨半側切除施行。

検査所見 RBC 476x 104, Ht 42.3, WBC 6700,Plt 14.2 x 104,
CRP 0.2, TP 7.2, Alb 4.6, A/G 1.79,
ALP 257IU, LDH 159IU, Na 139, K 4.6, Cl 103, Ca 9.6, I-P 4.4
いずれも正常範囲内

画像所見 単純X線;右上顎第5,6歯の歯槽突起部に著明な溶骨像。
CT;右上顎洞内に腫瘤影があり、上顎洞外側壁が消失、下壁も一部溶骨性変化を
示す。硬化像ははっきりしない。
MRI;右上顎洞内に腫瘤影があり、上顎洞後壁、歯槽突起を破壊。

なお、胸部単純、胸腹部CTは異常なし。
切除標本肉眼所見 右上顎骨を置換するように白色硬組織が増生しており、上顎洞内に2.6x2.5cm大
の白色充実性弾性硬の腫瘤を形成している。


問題点 病理診断
最終病理診断 Intraosseous well differentiated osteosarcoma.

配布標本 上顎骨歯槽突起骨粗造部(骨内)生検標本